資質を認め、伸ばす
「書家の家に嫁いだのはたまたまです」と言う原田恵吹さん。書道は小学1年から高校2年まで続けました。
義父の原田光洋さんのことは結婚前 から「すごい書家」と聞いていて、結婚後、光洋さんのもとで書道を再開。
光洋さんは、「初めは恵吹さんに書道教室を手伝ってもらおうなんて 全く思っていなかった」と言います。
自由に書道を続けてもらえたら、と思っていましたが、子ども好きで面倒見が良い恵吹さんの姿を見ているうちに「指導者の資質がある」と感じ始めました。
恵吹さんが書道講師になったのは、自分の子どもとの時間を大切にしたいと会社勤務を辞め、時間の融通が 利く仕事を探そうとしていた時に「書道教室を手伝ってみないか」と光洋さんから誘われたことがきっかけでした。
教室に通う子たちの成長を見守りながら、自身の技術向上のために定期的に展覧会へ出展。
「書道を通して、努力は裏切らないことを伝えたい」と言います。
教え子たちが、大きくなっても会ったときに話しかけてくれることが嬉しく、「こんな幸せな仕事に導いてくれた義父に感謝しています」と語る恵吹さん。光洋さんが恵吹さんの資質 を認め、タイミング良く後押ししたことが、恵吹さんの道を拓きました。