楽しさと感謝を伝える
1935年(昭和10年)創業。 86年の実績と信用を積み重ねてきた老舗の3代目安達克敏さん。元々ものづくりが好きだったことと、「長男だから」 父に弟子入り。「それが当たり前の時代でしたから。ただ、今はそうではない」と語ります。
後継者に恵まれず廃業する建具店も多く、克敏さんも、息子の将伍さんに「後を継げ」とは言いませんでした。 ただ、食卓を囲みながら仕事の話が出たときは、「楽しさとお客様への感謝」を口にするよう心掛けました。
将伍さんは工業高校の建築科に進学後、徐々に家業を継ぐことを意識し始めました。県内で最も若い後継者に恵まれている克敏さんは、「ありがたいと思っています。自分もまだまだ新しいことに挑戦していきたい」と 目を輝かせていました。
1.特殊なカンナを使用して組子のパーツを切り出す。
2.パーツは0.1ミリでも狂うと合わなくなる。斜めの切り込みも手仕事で。
3.地組にパーツをはめ込む。
4.伝統的な意匠「菱田の字組み」。欄間(らんま)などに使われる。